自由民主党・衆議院議員
木原誠二

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ブログ

2011.04.07

大連立について③

震災復興の具体的方策・提言について書こうと思いましたが、その点は次回に・・・。

昨日のブログの中身に対して、「大連立なんかやって、日本の民主主義を壊すつもりか」、「解散総選挙に追い込むべき」、「そんなにポストと予算がほしいのか」などなど、いくつか厳しいご意見をいただきました。

いずれのご意見・ご指摘も、襟を正して聞かなければならないものばかりです。ありがとうございました。

ただ、一つだけ事実を確認したいのですが…、私は現職ではありませんから、大連立によって何のメリットも恩恵も受けません。むしろ、選挙が遠のいて苦しくなるぐらいです。それでも・・・、敢えて、大連立すべきだと私は思っています。


何故かというと、二つの現実が目の前にあるからです。第一に、解散はできないという現実。第二に、日本経済の浮沈がかかっているという事実。

残念ながら、当面解散総選挙は物理的に難しいと思われます。現在、千葉県浦安市で選挙の投開票が行われない事態に陥っています。液状化現象で選挙どころじゃないという理由です。

では、東北地方はどうでしょうか。3月末に実際に現地に行って、あの地獄絵図を見てきた私でなくても、壊滅的状態ある東北地方では、選挙人名簿も投票所もないのですから、選挙どころじゃないということは明らかです。

そして、選挙人名簿、投票所などの準備ができるには最低1年はかかるのではないでしょうか。

だからといって、一番困っているのは東北地方、その東北地方を除いて選挙なんてことはあり得ません。そして、1年先ということになると、先般の国勢調査の結果を踏まえた選挙区の見直しもしなければなりません。


いずれにしても、すぐに解散総選挙は難しいのが現実です。

ところが、多くの国民は菅政権に不安を抱いています。この国民の不安を解散総選挙以外にどうやって解消するのか・・・。政権の枠組みを変えるしかないのではないでしょうか。

第二に、今の国会は、少々危機感が足りないのではないかと感じます。というのは、我々が直面しているのは、東北地方の復興に限りません。福島県相馬市。・南相馬市から戻って先週一週間、様々な企業のトップと面談をしました。

大半の企業は、「復興に全力を挙げて協力する」との言葉とは裏腹に、東日本を脱出し、西日本、更にはアジアへ動きだす準備を着々と進めていることを実感しました。福島原発という大きな骨が喉元に突き刺さった状態、そして電力不足の状況が当面続くのですから、企業としては合理的判断かもしれません。

しかし、日本国にとっては大変に「まずい」ことです。この震災をきっかけに日本経済が更なる長期的低迷に落ち込めば、次は財政破たんがすぐ目の前に迫ってきます。

だから、これは東北地方の復興という問題にとどまりません。そのことだけでも大変な問題なのに、日本全体の経済をどう維持していくかという更に大きな課題に取り組まなければならないのです。

そんなことが菅政権、民主党政権にできるとは私にはとても思えません。

以上二つ、私は、自民党は政権に関与すべきだと思っています。本当は、「私達にはとても無理です」と民主党が政権を明け渡すのが筋でしょうが、そのことを期待して待っている時間はありません。

政権に入って、中から民主党政権をそっくり変えてしまうぐらいの心構えで取り組むべきなのではないでしょうか。

私の政治の師でもありますサッチャー女史は、野党の果たすべき役割について、①government to comeとして一から十まで反対すること、②一日でも早く政権復帰すること、の二つに尽きると教えてくださいました。

何でも反対が困難な以上、早期の政権復帰を目指すべきですが、解散総選挙が物理的に困難な以上、大連立もやむを得ない、サッチャーさんもそうおっしゃるのではないかと私は思います


そうはいっても、谷垣総裁が菅総理との連携はない、と明言された以上、この話は当面ないということですが・・・。