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2007年05月06日
〈憲法改正:墓参りで思うこと〉
GWもいよいよ終わり。その最終日、久しぶりに墓参りに出かけています。戦争で命を落とした二人の大叔父に手を合わせながら、改めて平和の大切さを痛感し、今の平和な日本があることに対しご先祖様にお礼を申し上げました。大叔父二人は、ともにフィリピン沖に永眠しておりますが、今の日本をどのように見ているか。今年は、あの戦争を経て現行憲法が制定されてから60周年。現行憲法を巡って多くの議論がなされています。今日は、私の憲法観について、かつて書いた小論文を紹介させていただきたいと思います。ちなみに、この短い論文は、2005年7月に、自民党の衆議院選挙候補者の公募に応募したときに、課題として提出したものです。この2年弱で多くの状況変化もありますが、私自身の基本的考え方は変わっていないので、紹介させていただきます。
「日本国憲法について」
1.憲法とは
憲法の本質は、「最高法規」性にある。いかなる法律も条令も憲法に反することはできない。では、憲法の最高法規性を担保するものは何か。国民の意思に基づいて制定されているという点では、憲法も法律も違いはなく、憲法が最高法規たる所以は、その内容、中身にある。憲法は、法律や条例、条約によっては容易に変えられない、日本国民の価値観、理念を表象するが故に最高法規性を有するのである。
2.憲法によって護るべき理念、価値
では、過去を振り返り、将来を見据えたとき、日本国憲法が護っていくべき価値、理念、秩序は何か。現行憲法は、主権在民、基本的人権の尊重、平和主義といった理念、価値を掲げ、我が国は、この憲法下で、奇跡的な経済成長、平和と安定を享受してきた。このこと自体、現行憲法が優れた内容を有し、役割を果たしてきたことを意味しており、現行憲法の大枠は受け継いでいくことが大切である。特に、平和主義は、被爆国として、堅持していくことが求められている。
その上で、何か現行憲法に欠けているもの、見直すべき点はあるであろうか。私は、二つの見直しの「視点」が重要であると考えている
第一は、国家を「悪」と捉える感覚、国家を個人と対立したものとのみ捉える見方、から脱却すること。国家の暴走により不幸な戦争に突き進んだ以上、「憲法は国家権力を制限するための規範である」との考えには一定の説得力があるが、民主主義が定着し、マスメディアも発達した現在、かつてのような国家の暴走が容易に起こるとは考えにくい。
第二は、我が国の歴史、伝統、文化を尊重した内容とすること。憲法は、その国、国民のアイデンティティを見出すことができるものでなければならない。
この二つの見直しの視点は表裏一体である。国家と個人を対立的にのみ捉えないということは、個人が国家を自らのうちに内包することであり、それが可能となるのは、日本国民が我が国の風土、歴史、伝統、文化といった共通の土壌とそれに対する愛着を有するからである。こうした見直しの視点は、我が国を取り巻く国際環境の変化からも強く要請されている。冷戦構造が崩壊し、イデオロギー対立が溶解したことで、かえって国家間の剥き出しの競争が激化しており、各国家、国民はアイデンティティの確立を積極的に進めているからである。
3.改正を要すべき点・改正の方法
そこで、この2つの見直しの視点に沿って、大きな論点として、3点の見直しを提案したい。最初の二点は第一の見直しの視点に関連し、三点目は第二の視点に係るものである。なお、見直しの方法については、憲法制定会議等による新たな自主憲法制定という考えもあるが、現行憲法が掲げる主要な理念は堅持していくこと、また、戦後六十年との継続性を踏まえ、現行憲法の改正ルールに則ることが望ましい。
第一に、国民の権利と義務の均衡を図ること。基本的人権は今後とも最大限尊重されるべきであるが、国民は、自らの行動について、国家や社会、他の個人対し責任を持たなければならない。最近の若者の凶悪犯罪の多発化などを見れば、権利のみを強調してきたことの弊害は明らかであり、国民の権利は、他の国民の権利との関係、あるいは公共の秩序、共生の保持のために、制限されうることを明確に規定する。また、権利と義務は表裏の関係であることを明確にする観点から、例えば、家庭を保護する義務、国防や社会費用の負担の義務、環境を保持する義務といった責務についても、規定されるべきである。
第二に、自衛隊の存在を明確にすること。国家の究極的役割は、「国民の安全を保障すること」にあるが、わが国においては、その役割を担う自衛隊の地位が現行憲法上明確でない。もちろん、他国の独立と主権を侵害する侵略戦争を放棄するとの不戦の誓いは今後とも堅持しなければならないが、同時に、自衛隊を戦力として明確に憲法上規定する必要がある。更に、「保有すれども行使できず」とされている集団的自衛権についても、日本の安全を保障する上で必要な限度において、行使することを可能とする。
第三に、憲法前文を改正し、現憲法の制定時に占領政策を優先した結果置き去りにされた我が国の歴史、伝統、文化に根ざしたわが国固有の価値、国柄を反映した内容とすること。具体的には、日本国憲法が四季の彩り豊かで自然に恵まれた日本列島を対象とし、身内同士が大規模な殺戮を繰り返すことなくこの列島に何代にもわたって平和に自然と共生しつつ暮らし、家族・地域社会の一体感を大切にしてきた、そういった歴史、伝統について盛り込まれるべきである。
投稿者 kiharaseiji : 2007年05月06日 15:00