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2008.10.17

〈貸し渋り問題、竹中平蔵元大臣と勉強会〉

昨晩遅く、竹中平蔵元大臣を囲んで、平将明議員らいつものメンバーとともに、勉強会を開催しました。今回のテーマは「金融危機への対応」。

竹中さんの話で印象深かったことは、以下のような点でした。

① 今回の危機は「マネーマーケット危機」。90年代の日本と比較されることがあるが、日本の場合は「銀行危機」。マネーマーケット危機と銀行危機は、本質的に異なる。

② 銀行危機でないから、預金を受け入れて貸し出しを行う、いわゆる商業銀行は危機に陥っていない。危機に陥っているのは、モルガンやリーマンといった投資銀行である。

③ マネーマーケット危機については、十分な流動性供与と公的支えがあれば、事態は比較的早期に解消する。実際、米国や欧州の対応は迅速で評価できる。今後、マネーマーケット危機は思いのほかスムーズに収束していく可能性がある。むしろ、今後は、金融危機ではなく、実体経済への影響の方が懸念される。

④ ただし、銀行危機と異なり、損失つまり不良債権が一部の銀行に集中していない分、どの程度の不良債権があるのかが確定できないのが難問。資産査定を厳格に行って、損失の額を早めに確定することができるか否かが、今後の大きなポイントになる。

⑤ 日本については、金融問題としての影響は比較的軽微。にもかかわらず、日本の金融機関は、こういう状況で、貸し渋り、貸し剥がしに走る可能性があり、この点が最も懸念される。

⑥ 中小・零細企業に対する貸し渋り対策を徹底すべき。


確かに、今後の最大の懸念は、「貸し渋り」です。日本の金融機関、特にメガバンクは、リスクに応じて金利を上乗せして貸し出すという対応に乏しい特徴があります。どんな相手にも3~4%の金利で貸し出し、この金利で貸せないとなると、貸し渋る。


しかし、よく考えてみると、銀行は「預金を預かって」、「貸し出し」をすることが任務。低金利状況の中で、低コストで「預金」を受け入れていながら、一方で「貸し出し」は渋り、その代わりに、海外の債券、それこそサブプライムローン証券などを買い込んで、損失を出しているとしたら、これは問題です。


「貸し渋りへの対応」、今後、同志とともに議論をし、提言していきたいと思います。

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