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2008.11.14

〈田母神前空幕長の更迭について思うこと:髪型校則との違いは?〉

本日は、午前中は内閣委員会と厚生労働委員会、午後は厚生労働委員会に出席。その合間をぬって、無駄撲滅PTの打ち合わせ、経済産業関連の税制勉強会などに出席しました。

さて、最近少しおかしいと思うことがあります。内容の是非はともかくとして、トップに立つ方々の言葉が、そのトップとしての立場を踏まえていないことが多いことです。

田母神氏も同様で、内容の是非はさておき、航空自衛隊のトップにいる方が、その立場を保持したままで、自らが属する政府の正式見解と明らかに矛盾する発言をしてよいのかというのが、事の本質だと思います。中山大臣のときもそうでした。内容の是非はともかくとして、大臣という公職にある方が話すべき事柄ではないのです。

「言論の自由」があるといいますが、「言論の自由」も一定の制約を受けるはずです。あるいは「自制」が求められなければなりません。どうしても、言論の自由を楯にとって持論を述べたいのであれば、懸賞論文などというやり方ではなく、次のような二つの方法のいずれかを追求すべきだと思います。第一の方法は、堂々と職を辞して、「政府見解は誤っている」と論陣をはる。あるいは、第二の方法として、政府部内の会議や防衛省内の会議で、「政府見解をあらためるべきだ」と正面から議論を提起する。防衛大臣や総理大臣に挑めばいいのです。しかし、その結果変更がかなわなければ、その結果にしたがう。

そのいずれでもなく、単に外に向かって政府見解と異なる自説を述べるのは、明らかなルール違反です。こんなことが許されるのであれば、組織の規律など維持できません。例えば、隊員が「早朝の訓練は、非人道的で参加できない」と異論を唱えて、訓練を拒否すれば、それはやはり規律違反になるはずで、「言論の自由がある」などということは許されないはずです。

最近のトップの方々の様々な発言を見ていて、ふっと思いだすことがあります。かつて、よくマスコミでも取り上げられた学校の校則問題です。あの当時のことを思いだすと、例えば、髪型に関する校則が厳しすぎると反対する学生達は、第一に、先ず生徒会などの場で徹底した議論をし、その上で不利益があることも覚悟のうえで先生達とも真正面から議論する、第二に「退学させられることも覚悟の上で」あえて校則違反を犯しつづける。中高校生でも、これぐらいの覚悟をもってこの校則問題に取り組んだはずです。

今回の行動を見ていると、そのいずれの覚悟も欠如していて、ただ単に「政府見解はけしからん。言論の自由があるのだから言わせてもらう」だけという印象であり、寂しい感じがします。

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