自由民主党・衆議院議員
木原誠二

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ブログ

2008.11.29

<分捕りの思想は古い!!  言い訳もいらない!!>

 本日午前中は、東村山市のあきつの園(知的障害者授産施設)の20周年記念式典に出席ののち、市民農園チロリン村の収穫祭に立ち寄らせていただきました。


丁度先ほど、遅いお昼ご飯を終えて、今は事務所で新聞を読みながらちょっと一休み中。



新聞を読みながらちょっと残念だったことがあります。それは、「無駄遣い撲滅PTについての記事がとっても小さかったこと。再三、このブログでも報告してきましたが、自民等無駄遣い撲滅PTの事務局長補佐として、今年春からずっとこの問題に取り組んできました。昨日、漸くその結果をとりまとめ、公表をしたところです。公表の際、座長を務めた園田政調会長代理からマスコミにブリーフィングもなされましたが、あまり取り上げていただけませんでした・・・。



でも、この無駄撲滅PT画期的な取り組みです、本当は!! 

これまでの政治は、「予算をとってくること」、「予算を増やすこと」ばかりでした。これは自民党だけではありません。与野党とも、それぞれが重要だと思う分野にどれだけ予算を増額するか、配分するかを競い合ってきたのです。そうでしょう、与野党とも、マニフェストには、「この分野は増額します」とは書いても、「この分野は減らします」とは決して書かないのですから。この春先に話題になった道路特定財源の問題でも、暫定税率廃止を主張した民主党さんは、でも「道路は作ります」、「道路の事業量は減らしません」と言っていたくらいですから。



でも、今回の無駄撲滅PTでは、予算の削減に本格的に取り組ませていただきました。タクシー代だとか、マッサージチェアなどのレクリエーション費、無駄な広告代など、明らかに無駄なものは当然のことです。しかし、本当に、無駄というか、予算削減の余地があるところは、既に実行されている様々な政策・施策を一つずつ丹念に精査し、止めるものは止める、規模を縮小するものは縮小する、その難しい判断を下すところにあります。これを「政策の棚卸し」、あるいは「事業仕分け」と呼びます。


今回のPTでは、シンクタンク「構想日本」のお力をお借りして、国民の皆様にも全面公開で、各省庁の政策を一つずつ棚卸しして、オープンに議論をしました。例えば、文部科学省については、一般参加者100人の聴衆の面前で、文部科学省の役人さん、現場の学校の先生、教育学者、そして我々議員が、文部科学省の補助金や様々なプロジェクト事業などについて、朝9時~夕方6時までぶっとおしで議論をしました(事前の打合せや、準備などを入れると、この数倍の時間をかけています)。



「ダイエット」に例えていうと(私もダイエッターなので・・・)、ダイエットをしている本人は真剣で、色々な方法を試し、お金をつぎ込んでいます。中には、効果が出るもの、出ないもの、色々あるわけですが、効果が出ないからといって、いざ止めるとなると、結構勇気がいります。正面から「無駄だ」と言われると反論したくもなります。でも、実証的に効果が出ているか、コストと比較して体重の増減はどうなっているのか、3ヶ月で効果が出始めると言われて始めたのに、実際はどうだったか・・・、色々なことを検証していくうちに、止めるものは止めるという判断ができるようになるのです。



野党の皆さんは、無駄を排除すれば、数十兆円も財源が捻出できるようなことを簡単におっしゃいます。しかし、野党の皆さんが指摘している無駄、例えばタクシシー代とか、マッサージチェアなどのレクリエーション代などは、その全てを止めても、数億円にしかなりません。国の予算80兆円からみると、コンマの世界です。本気で無駄を撲滅しようとすれば、必要な政策、止める政策、規模を縮小する政策の仕分けを、一つ一つ膨大な時間をかけて行う以外にありません。

また、野党の皆さんは、「野党には資料が提出されない」とよく言い訳をされますが、今回の我々PTの議論は、国民の皆様の目の前で全面公開で行いましたから、情報や数字は全て公開のものだけを使わせていただきました。その上で、それぞれの施策の目的、効果、達成目標、他の代替手段の有無などを丹念に議論しました。公開情報で十分役所とは戦えるのです。



この作業の過程で、いかに、国の予算が、「取ってくる」ときは一生懸命だけど、いったんついた予算の「使い道」の検証や効果の検証は全くなされていないかが、明らかになりました。

常々主張している、予算の事前規制から「事後チェック」への移行こそ、この日本を変える最大の改革です。その端緒が今回の無駄撲滅PTの作業だったのですが、マスコミの方々にご理解いただけなかったようです。結局、マスコミの皆さんも、旧来の予算分捕り合戦の思想から脱却できていないということです。

でも、この活動は、今後とも継続していきます。私の最終目標は、かねがね主張しているように、単年度予算から複数年度予算にし、財務省主計局を予算配分局と予算監査局に分割すること、いわゆる予算制度の抜本的改革です。



「無駄を省く」、「税金の使い道を適正化する」、口だけではどうにもならんのです。そして、何かというと「野党なので、政府のように情報がない」という言い訳も全く意味のないものです。本気なら、各役所の事業仕分けを予算委員会の場などで、正々堂々と行なえばよいのです。