自由民主党・衆議院議員
木原誠二

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ブログ

2008.11.30

慎重審議を

 11月18日に衆議院を通過した国籍法改正法案に関連して、この一ヶ月ほど多くの方からメールを頂戴しています。個々にお返事をお返しできた方もいらっしゃれば、出来ていない方もいらっしゃいます。その後も、多くのメールを頂戴しておりますので、私の考えを以下のとおり、一言お知らせいたします。

 そもそも、この問題の発端は、6月4日の最高裁判決に至ります。

 本年6月4日に最高裁判所大法廷で判決が下っています。日本人の父親と外国人の母親の間に生まれたお子さんの日本国籍取得について、「婚姻関係」を条件としている現行の国籍法が、「法の下の平等」を定める憲法14条に違反するとの判断でした。

 憲法は三権分立を定め、司法の中では最高裁の判断が最終のものとなります。したがって、最高裁の判断が下った以上、立法あるいは行政として、その意思を体言する行動が必要であり、何らかの形で国籍法の改正が必要であるのは事実です。このことを否定して、そもそも最高裁の意思など無視してしまえ、国籍法の改正など必要ない、という訳にはいきません。

 

 ただし、最高裁の意思を立法・行政としてどのように体言するかは、それこそ三権分立ですから、立法・行政の判断に委ねられます

 そこで、衆議院での採決に先んじて、「国籍法改正について慎重審議を申し入れる」有志議員の一員として、自民党の大島国対委員長、山本法務委員会委員長、塩崎法務委員会筆頭理事に対し、申し入れをいたしました。その問題意識は、メールを頂戴した多くの方々と同様です。

 すなわち、①国籍取得届の虚偽届出の際の罰則が「1年以下の懲役または20万円の罰金」と、抑止効果としては軽すぎること、②偽装認知を防止するためDNA鑑定を導入すべきこと、③偽装認知防止のための現場における実行ある対策を検討・導入すること。

 こうした問題意識に立ち、伝統と創造の会の同志議員などともに、慎重審議を求める署名活動に参加させていただいたわけですが、法案は、結果として、極めて短い審議時間で衆議院を通過してしまいました。

 ただし、我々の動きもあり、附帯決議が衆議院段階でつけられましたし、参議院では、より慎重な審議が行われております。現時点でも、少なくともDNA鑑定を何らかの形で義務付けるべきであると考えていますし、少なくとも組織的な偽装国籍取得に対する罰則はより厳格なものにすべきと考えておりますので、今後とも、同志とともに行動していきたいと思います。