自由民主党・衆議院議員
木原誠二

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ブログ

2008.12.04

中長期ビジョン

 本日は、会議、会議の連続でしたが、特に、午後は、税制調査会で3時間みっちり議論させていただきました。

 ところで、今後の財政畝意を巡って、党内でここ数日、喧々諤々の議論が戦わされました。私の個人的見解ですが、財政運営にとって一番大切なことは、中長期のビジョンがしっかりしていること。ビジョンというよりも「目標」と言えるかもしれません。

 経済は生き物ですから、財政運営も、その生き物である経済を相手にする以上、臨機応変の対応が求められます。今のように景気が悪いときには、財政出動をして景気対策をするのは、当たり前のことです。

 むしろ、問題は、景気が少しずつ回復してきたときには、正常な財政運営に速やかに戻ることをどのように担保するかなのです。一度開いた蛇口を何時閉めるかは、結構難しいです。しかし、お風呂で言えば、ある程度満タンになってくれば、すこしずつ蛇口を閉めるものです。それは、お風呂という中期目標があるからできることです。

 なので、財政運営においても、中長期の目標をしっかり立てておくことが、とても大切です。実際、英国も、フランスもアメリカも、中長期の財政運営の目標が設定されているわけです。我が国においては、2011年までのプライマリーバランス達成がその中期目標です。

 達成できるかどうかはともかく、この中期目標の旗を掲げておくことが、市場に対しても、また過度な財政出動に対しても、また、いつ財政出動を緩めるかの判断にあたっても、大切になるわけです。目標が守れるかどうかは問題ではないのです。

 ところが、非常に残念なことに、財政を預かる財務省の財政制度審議会が、プライマリーバランス目標の達成を断念するかのような取りまとめをしました。先送りするのであれば、次の中長期目標を明確に定めなければ、健全な財政運営はできません。会社でもそうです。中長期の経営シナリオがあって、その達成が難しい場合には、①とりあえず、難しいと分かっていても、歯を食いしばって達成に向けて努力する姿勢は見せる、あるいは②経営シナリオを海底して、新しいものにする、いずれかを行うはずです。経営シナリオそのものを放棄するなどというのは、愚の骨頂です。

 社会保障費の2200億円の機械的削減などのシーリングの撤廃は時機にかなったもので、私は賛成ですが、その前提は、明確な中長期目標が設定されることであり、今後の予算編成過程の中で、しっかりと主張していきたいと思います。