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2008.12.10

騙されないぞ!!

今日は比較的落ち着いた時間をすごしています。午前中は、厚生労働委員会に出席。午後に入ってからは、中小・零細企業金融の充実についてとりまとめた提言案を、自民党の先輩議員のところなどに持っていって実現に向けた段取りを相談したりしています。

 ところで、「改革は普通が一番」とのコメントをいただきました、そのとおりだと思います。奇をてらう必要もないし、あまり複雑なことも必要ないのだと思います。当たり前のことを当たり前にやる。

 そういう意味でいうと、税金の無駄遣い撲滅もその一つです。これって当たり前すぎるぐらい当たり前のこと。タバコ税の問題についてのコメントで、無駄遣い撲滅を先ずやりなさい、とのコメントもいただいています。当然のことです。愛煙家の皆さんの懐に手を突っ込む前にやることあるだろって!!

 ただ、自民党は、この無駄撲滅に切り込めないかというと、私は逆だと思っています。実際、私が事務局を勤めた「税金の無駄撲滅PT」では、一般国民に全面公開で、一般有識者や現場の人にも議論に参加してもらって、各省庁の政策について、止めるもの、縮小するもの、増額が必要なもの、一つ一つ精査をする試みをしました。例えば、文部科学省については、40時間~50時間近い時間をかけて、この作業をしました。

 

 「予算は増やすもの、ぶんどってくるもの」という発想から「予算は、その効果を検証して、増減の両面を取捨選択するもの」という思想に変える、つまり、予算の世界も事後チェック型に変えることが、無駄遣いをなくす切り札だと思います。なので、今回の無駄撲滅PTの取組みは、これまで日本の政界で、与野党問わず誰もやってこなかったことを初めて取り入れた、画期的なことだったと思います。

 

 ちなみに、そんなこと以上に、例えば、特別会計が大きすぎるとか、独立行政法人が土地を持っているといった無駄がよく指摘されます。実は、無駄撲滅PTは、ここらにも十分に切り込んで、例えば、財務省の財政投融資特別会計が保有していた準備金の水準については過大ではないかととして指摘し、今回、これを補正予算の財源として活用することも可能となりました。

 ただ、私は、気をつけておかないといけないと思うのは、あたかも特別会計に膨大な無駄が山積みになっていて、それをなくせば、全てバラ色といったような幻想は持たないようにしなければいけないということです。

 

 例えば、特別会計は212兆円の規模があります。民主党は、ここから概ね1割カットして20兆円の財源を捻出して20兆円の新たな政策を実施すると主張しています。しかし、212兆円のうち67兆円は年金・医療・介護という社会保障の現物支出で、88兆円は借金返済の支出、17兆円は地方への支出(これも多くは医療や教育のための支出です)。

 これらはいずれもカットができないもので、これだけで全体の8割を超える172兆円になってしまいます。残り40兆円です。実際には、20兆円の新たな政策のための財源は、この40兆円から捻出しなければならないわけで、5割のカットが必要になります。そうなると、防衛費、中小企業対策費、教育費、これらの水準を現在の半分程度に低下させなければならなくなってしまうのです。これが、国民にとって幸せなことだとは到底思えません。そして、この現実を隠しているのは、私は民主党の欺瞞だと思います。

 なので、無駄撲滅に向けた取組みを強力に進める一方で、そして、無駄撲滅が全ての前提なんだという精神は堅持しつつ、それだけでは、日本の将来は描けないということは、正直に国民の皆さんにご説明しないといけないんだと思っています。

 また、国や独立行政法人が持っている土地や建物の資産のこともあります。これも、売却すれば当然財源になりますが、単に民間売却すれば本当にいいのかは、冷静に議論しないといけないと思います。もちろん、大手町などの一等地にあるものは、売却して再開発するのが適当だと思いますが・・・。ただ、例えば、私の地元東村山市の富士見町というところにも、東京ドーム6個分ぐらいの広大な国有地がありますが、ここを民間売却してマンションを建てることが、本当に住民にとって幸せかといえば、そういうことはありませんで、やはり、公園として利用したり、運動場として利用したり、色々な有効活用の方法はあるのだと思います。なので、ここも冷静な議論が必要かなと思います。

 ただ、こんなこと言ったって、「政治家と官僚は信用できない」「騙されないぞ」というのが今の国民の皆様の素直な思いだと思います。ここまで、政治への信頼を落としてしまったことについて、我々は猛省しなければと思う日々です。

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