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2009.04.20

幹部国家公務員法?

 政局がらみで取り上げられることが多いようですが、中川秀直元幹事長や塩崎元官房長官などが中心となって検討している、幹部国家公務員法案の制定は、なかなか面白いと思います。

 現在、国家公務員は、入って1年目の若手も何十年のベテランも、同じ国家公務員法の元で同じ仕組みの中にいます。労働基本権の制約も、人事院勧告も一律でかかっています。

 考えてみれば、これはおかしなことです。

 幹部公務員に特化した幹部国家公務員法を制定して、幹部公務員については、人事院勧告の対象外として、昇給・降給、昇格・降格を弾力化することは考えられてしかるべきです。優れた人材には、より重要なポストと高い給料が支払われるのは、決して悪いことではありません。

 

 私が、英国大蔵省に出向した当時、私は29歳でしたが、当時の課長さんは30台半ば、局長さんは40台半ばでした。その局長さんは、その後、英国大蔵省の事務次官を務めたのち、現在、他の役所の事務次官を務めています。

 日本の役所でも、30代後半の課長や40代の局長がいてもおかしくはありませんし、ある役所のトップまで上り詰めた人が、天下りなどではなく、他の役所のトップを務めたっていいはずです。

 

 そういうことが可能になるように、幹部公務員について、給料や人事を弾力化することは、日本の将来にとっても有意義です。もちろん、競争で敗れる人も出てきます。しかし、それは民間ではあたり前のことです。公務員の世界だけが、年功序列の順送りでいいはずがありません。

 ただし、公務員の人事は政治化されるべきではないと思います。この点は、中川秀直元幹事長の勉強会に参加した際にも、明確に伝えました。公務員が時の政権、つまり政治の決定に従うのは当然のことです。しかし、そのことと、人事権を政治家が握ることは必ずしも一致しないように思います。

 明らかに政権の方針に反する行動をとる公務員がいれば、それは降格等の処分をすればよいと思いますが、凡そ人事を一から政治家がするとなれば、これはやはり情実任用の温床になってしまいます。

 そもそも、政治家が数多い公務員の能力を適切に判断できるとも思えません。

 いずれにしても、幹部公務員の人事を内閣で一元化するために内閣人事局を設置する法案が既に国会に提出されていますが、幹部国家公務員法案は、内閣人事局の機能を強化するもので、有益だと思います。

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