2009.12.17
今回の件を書くこと自体が、天皇陛下を民主党利用に平和利用していることに気づかないのか、との指摘をいただきました。貴重なご意見ありがとうございました。確かに、そういう面があることは、否定できず、私も謙虚に注意していきたいと思います。
ただ、大変重要なことですので、前回のメールで舌足らずの点を補足させていただきたいと思います。
私は、天皇陛下と習副主席が会談されたこと自体に問題はなかったと思います。また、いわゆる「30日ルール」というものも、所詮、役所が設定した一定の基準でしかない、とも考えております。
しかし、問題は、そういうことではなく、30日ルールの破られ方が異常だということです。政府は、岡田外務大臣、平野官房長官、鳩山首相と、かなり前から習副主席の来日の準備に入り、陛下との面会は必要ない、あるいは困難との認識で一致していたはずであり、その旨中国側にも伝達されていたはず、と先日のブログに書かせていただきました。
本日の産経新聞によれば、11月30日の時点で、官邸も含めて政府が、陛下との会見は不可能と判断し、中国側にも伝達していた、とのことです。 つまり、役人が勝手に「不可能」と判断したのではなく、政治が「不可能」と判断したということです。
そうであれば、問題は、いったん政府が決定した方針、それも官邸も含めて決定された方針が、いとも簡単に、小沢一郎さんによって覆されたという事実です。これは政治主導ではなく、単なる小沢独裁でしかありません。また、30日ルールが破られた過程が変だ、と正論を述べた宮内庁長官に対して、あたかも「辞表を出せ」と言わんばかりの恫喝をするのは、更に、独善的な体質を露わにしています。
むしろ、反省すべきは、岡田外務大臣、平野官房長官、鳩山総理が、最初の段階で、天皇陛下との面会は不要あるいは困難と判断した、その政治判断そのものです。
小沢一郎さんが激怒すべき相手は、宮内庁長官ではなく身内の政治家の方々のはずです。
その責任をはっきりさせなければ、政治主導など遠い先のことのように思います。
ちなみに、前原国土交通大臣から、「自民党の元首相からも要請があった」と、あたかも自民党も陛下を政治利用しようとしたかのような発言がありましたが、結果的には、前原大臣の発言は、小沢一郎幹事長の独善ぶりをより鮮明にするだけに終わったように感じます。
これも、本日の紙面に書かれていますが、この元首相は中曽根元総理のようです。中国の古い友人として、中曽根元総理も政府に面会を何とか実現できないか要請をしたのでしょう。しかし、30日ルールによって困難であることが中国側にも既に伝達されていることを説明され、それ以上のごり押しはしなかったようです。
ここに、中曽根元総理と小沢一郎幹事長の体質の差が鮮明に現れているのではないでしょうか。
いずれにしても、昨日の政府に対する小沢一郎さんの予算・税制要望の姿といい、何とも「恐ろしい」感じがします。
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木原誠二について
木原 誠二
衆議院議員・自由民主党 第20区支部長
自民党選挙対策委員長
5つの基本政策