自由民主党・衆議院議員
木原誠二

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ブログ

2010.02.28

ああ、政治主導

民主党政権で、特別補佐官とか特別顧問とか補佐官といった政治任用職が急増しているそうです。

これらの人の中には、民主党や国民新党の元議員などが多く含まれているほか、稲盛さんをはじめとして民主党に近い経済人や学者が多く含まれていて、それなりの日当も支払われているようです。

これが、民主党の「政治主導」の姿だとすれば、もう一度、政治主導って何かを、真剣に考えてみないといけませんね。

この姿、私が英国大蔵省に出向時代に、英国ブレア政権の中にいて見た姿と一緒なんです。

当時、英国では、特別顧問や特別補佐官といった政治任用職が前のサッチャー時代の3倍にも膨れ上がって、大問題となっていました。何故大問題になっていたかというと、数が増えて税金が余計に使われるということももちろんですが、それ以上に国民の怒りをかっていたのは、こうした特別顧問とか特別補佐官の職が、労働党に多く献金した人や労働党から次の選挙で立候補を予定する人などに優先的に割り当てられていたり、正に党利党略に活用されていたからです。

全く同じことが今の民主党でも行われています。でも、これが私たちが目指すべき政治主導ではないと感じるのは、私だけでしょうか。

民主党による予算の個所付けの事前公表とか、長崎知事選での予算増額を餌にした票集めなど、一体「政治主導って何」と悲しくなりますね。

まがいなりにも政治家を4年間させていただいて、今も引き続き政治家としての再起を目指している私ですが、世の中をよくするために最も必要なのは、政治を小さくすることではないかと思ったりしてしまいます。

私は、役所が箸の上げ下ろしまで国民を細かく指導する姿に違和感を感じて、官僚を辞めました。もっと国民一人一人が自由に活き活きと生活していけるようにしたい。国を官僚が独占する姿を是正したい・・・、そう思ってきました。


ところが、政治主導の名のもとに、今度は、官僚よりももっと少数の「政治家」が国を独占し始めています。

学問上は、少数とはいえ、政治家のバックには選挙を通じた国民の声が凝縮されている、そういう風に私たちは信じ込まされていました。でも、本当にそうでしょうか。民主党の議員達は、「政治とカネ」の問題についても、何一つ発言しないじゃないですか。私の同志の徳田毅議員のアメブロに書いてありましたが、単なる「採決要員」、党の執行部に指図されるままに手を上げ下げするだけじゃないかと・・・。そうだとすれば、今の政治家は全然、国民の声など代表していない。

そんな少数の政治家が国を独占していいのだろうか?もちろん、官僚主導に戻るわけにはいかない、でも民主党の政治主導も何か変だ。

なかなか「答え」は見つかりません。

そんな中で、少なくとも一つ方向性は、やはり「小さな政府」ではないでしょうか。これまでの「小さな政府」は経済合理性の面から語られてきました。でも、「小さな政府」の本質は、官僚であれ政治であれ、国の恣意性を無くすことではないでしょうか。そのために、徹底した地方分権を図ること、特に公共事業、補助金の配分の面で。続いて、税制の面で。細かな租税特別措置などは原則廃止だ。

他方で、恣意性が入りにくい、年金・医療・介護などの社会保障や国防、教育では、ナショナル・ミニマムをきちっと実現すること・・・。

政治主導=大きな政府では、この国に未来は絶対ありません。