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2010.05.17

国債発行44兆円以下に抑制

 菅財務大臣が来年度の予算では、国債発行つまり借金を本年度並みの44兆円以下に抑えると発言をされているようです。

 うーん、どういう意味なんでしょう。

 マニフェストで約束した通りでいくと、来年度は、子供手当の残り13000円を含め更に5兆円以上の歳出増になります。その中で、国債発行は本年度以下に抑えるということになると、税収が驚くほど増えるか、あるいはマニフェストの一部をあきらめる以外に手はありません。

 しかし、既に本年度でも暫定税率の廃止や高速道路無料化などのマニフェストでの約束を反故にしているなかで、更に・・・、というわけにはいかないでしょうし・・・。

 かといって、景気が外需を中心にやや上向いているとはいえ税収が驚くほど伸びるとは考えられませんし・・・。

 また、税金でも借金でもない、いわゆる埋蔵金の活用も、本年度で10兆円以上使ってしまっていますから、なかなか本年度並みを確保するのは難しいでしょうし・・・。

 鳩山後を見据えた菅財務大臣の存在感誇示だとすると、これまた困ったものです。44兆円以下という方針を市場が織り込んだときに、現実が50兆などに膨らんだ場合には不測の事態も否定しえません。財布を預かる立場の人にはパフォーマンスではないリアリティーある姿勢が求められます。

 そんなことを財務省の役所の人と話していたら、こんな回答をしてくれました。「G7やG8財務大臣会合などにでると、日本のバラマキ財政がいかに時代遅れで国際的動向から外れているかを肌身で実感して帰ってくるようです。これではいかんと」

 しかし、そんなことは、海外にいかなくたって分かるような気がするんですけどね。

 昨年の選挙の時点でも火の車であった日本の財政を前に、新たに17兆円もの新規施策を公約するなんてのは、自殺行為以外の何物でもありません。「海兵隊の抑止力の意味がようやく分かった」といった鳩山総理もそうですが、「G7財務大臣会合にいって初めて日本の財政状況の悪さが分かった」というのでは、そもそも政権担当能力がなかったということでしょう。

 自民党は今こそ「財政健全化」に全力を傾けるときです。財政赤字ほど日本の成長力をそいでいるものはないのですから。

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