自由民主党・衆議院議員
木原誠二

MENU
ブログ

2010.06.23

消費税 & 菅総理

菅総理の唐突な消費税引上げ発言で、消費税がにわかに参議院選挙の争点になってきています。そんなこと言うのなら、なぜマニフェストに入れなかったのかな、所信表明に盛り込まなかったのかな、疑問はつきませんが、議論が起きること自体はよいことだと思います。

何しろ、900兆円に及ぶ借金残高を抱えながら、平成22年度では92兆円の予算に対して37兆円の税収しかないわけですから・・・。ただ、景気回復が十分でなくデフレ状態の現時点が適切なタイミングかというと、疑問は残ります。

 

しかも、菅総理が持ち出した消費税引上げは、バラマキ政策を実行するための消費税増税でしかありません。もっというと、無駄撲滅の公約の失敗を覆い隠すための消費税引上げでしかありません。

実は、小泉、安倍、福田と続いた自民党政権のもとで財政状況は確実に改善されてきました。この路線が転換したのは、麻生政権です。リーマンショックで経済状況が一変したからです。これは世界共通で・・、世界中で景気対策としての財政支出が行われたわけです。日本でいえば、エコポイント、エコカー減税、贈与税減税などなど・・・。

このために、当初予算で見て、麻生政権では、財政規模は88兆円に一気に膨れ上がりました。しかし、これはあくまでも景気対策のための財政出動です。いわばケインズ効果を狙ったもので、エコポイントもエコカー減税も期限を区切った暫定的措置として措置されました。そのケインズも言っているように、景気回復のための膨らんだ財政出動は、景気回復とともに平常時モードに戻らなければなりません。

ところが、民主党政権がやったことは何か・・・。高速道路無料化、農家戸別所得補償、高速道路無料化など総額17兆円に及ぶ恒久措置を追加することを約束したことです。景気対策のための一時的・暫定的支出でなく、恒久的支出を大がかりに約束したのです。

この結果、平成22年度予算は空前の92兆円の規模になりました。リーマンショックの悪影響が排除されて景気状態が戻ってきたとしても、日本の財政規模は、小泉・安部・福田と財政再建を続けてきた水準には戻らなくなってしまったということです。

そこで、菅総理がいうように消費税を10%に引き上げるといっても、子ども手当、高速道路無料化、高校無償化、農家戸別所得補償、などのバラマキ施策に消えてしまうだけのことです。財政再建に回す余地などほとんど残らないのです。菅総理が「財政健全化」のために消費税というのは、全くのデタラメとしかいいようがありません。


最初にとんでもないウソをついたから、こんなデタラメが必要になったわけです。昨年の衆議院選挙のマニフェストで、無駄撲滅に20兆円は出てくると大ウソをついたことです。20兆円も無駄が出てこないことは、子どもでも分かることで、今になって、仙石大臣は、「無駄削減はせいぜい2兆円程度」などといっています。

結局、バラマキ政策の財源は無駄撲滅で20兆円のマニフェスト破りを覆い隠すために、突然消費税が持ち出されたということです。

これは自民党のいう消費税引上げとは全くことなります。なぜならば、自民党は、景気回復後は、小泉政権以降続いてきた財政再建路線にしっかり戻ることが前提だからです。