自由民主党・衆議院議員
木原誠二

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ブログ

2010.06.25

日本代表強し & マニフェスト破り

日本代表強いですね。

今日は一日参議院選挙公示に同行し、戻って寝てから、今テレビにかじりついています。やはり日の丸を背負う男たちは、どこまでも凛々しく、強く、堂々としています。

日の丸に反対するどこかの首相とは大分違うようです。

そして、日本代表の戦いぶりに安心して、チャンネルを回すと、今度はウィンブルドンテニス。森田選手が頑張っています。

さてさて、最近よく聞かれることの一つが、民主党がマニフェスト破りを続けているが、「いいことなのか、悪いことなのか」という素朴な疑問です。結論からいうと、やはり悪いことなのではないでしょうか。

マニフェストとは、そもそも、それぞれの政党の理念とともに主要政策の方向性を示すものです。特に重要なことは、有権者の投票行動の際の選択の指標になるよう、他の政党とはどこが異なるのかを示すことにあります。


民主党が昨年の衆議院総選挙時に発表したマニフェストは、民主党が自民党と異なる、民主党が自民党より優れているということを、それが真実であるかは別として、明確に示すという意味で、実に優れた内容となっていました。第一に、「コンクリートから人へ」。第二に、中央集権よりも地方分権。第三に、企業よりも家庭重視。第四に、間接給付よりも現金の直接給付の重視、第五に、官主導から政治主導。第六に、米国隷属から対等な日米関係へ。

自民党政権の特徴を見事にとらえながら、民主党は逆の道を行くと宣言したわけです。そして、長い自民党政権に辟易していた国民の多くが、細かい政策はともかく、先ほどいくつかあげた民主党のマニフェストの理念に新しい時代の息吹を感じ、政権交代を実現させたわけです。

そんなマニフェストですが、現実には、その多くが実現されないまま反故にされたり、放置されています。そんな民主党を見て、「マニフェストはその通り実施しなければいけないわけではない」といった論陣を張る方がいます。もちろん、一字一句実現する必要など毛頭ありません。マニフェストの母国英国でも、マニフェストが破られることはあります。経済環境の変化や国民意識の変化などもあるからです。

しかし、マニフェストの変更が許されるのは、枝葉末節の部分といっていいと思います。マニフェストの根幹あるいは精神的支柱となっているものを変更することは厳に慎まなければなりません。あるいは、マニフェストの精神的支柱を崩すとなれば、国民に対し、その理由、変更の方向性などについて、明確に説明する必要があります。

そうでなければ、国民は何を基準に政権を選択したらいいのか、全く見えなくなり、政策をめぐって政権選択をするという民主主義の根幹を破壊してしまうからです。

ところが、民主党政権は、この政治を破壊する愚行を堂々と実行しています。鳩山前政権では、第六の柱「米国隷属から対等な日米関係」の象徴であった普天間基地移設問題で、沖縄の民意よりも米国との合意順守を優先しました。第一の柱である「コンクリートから人への」象徴ともいえる暫定税率の廃止を中止し、結局高速道路も作り続けています。第五の柱「菅主導から政治主導」でも、結局、天下りは放置され、人件費抑制も断念しています。そして、第四の柱「間接給付よりも直接給付の重視」でも、子ども手当ての2万6000円への引上げを断念しようとしています。

やはり、根幹部分を次々断念する姿は、遺憾といわざるを得ないのではないでしょうか。

参議院選挙は、「本当に約束を実行するのはどっち?」ということが問われる選挙ではないでしょうか。