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2010.08.14

円高

円高が進んでいます。

基調には、米国、欧州の景気不安があります。年初に、いくつかの講演で、①年後半に向けて各国で景気対策の効果が息切れしてくること、②とりわけ米国ではサブプライムローンの悪影響がそう簡単には終息しないこと、といったことをお話してきましたが、まさに、そういう雰囲気になりつつあります。

日本だって決して景気がよいわけではない、というよりもむしろ悪いのですが、金融システムが比較的安定していること、金利も下限にはりついていて、これ以上の引下げ余地がほとんどないこと、といった要因で、円に資金が流入している状況。

困ったことですが、下手をすると70円台突入という事態も想定できないではありません。

この事態に何ができるのかというと、為替政策として円売りドル買いの介入はもちろんあるのでしょうが、世界の一日当たりの為替取引額は100兆円、半端な介入ではすぐに足元を見られ、突破され、かえって円高に勢いがついてしまう可能性もあります。

少なくとも、日本一国の介入では全く意味がありません。

日銀が金融緩和をもっと積極的に行うという道もありますが、為替管理のために金融政策を使うというのは、やや問題の感もあります。

現在の1ドル85円の相場は、実質実行為替レートでいけば何とかなる水準とも言われます。先ずは、行き過ぎた円高、というよりもドル安、ユーロ安に対する各国当局の共通認識を作り上げていくことが先決。

どうでしょう、菅総理、日本、米国、EUの首脳・財務大臣によるG3為替サミットの東京での開催でも呼びかけてみては・・・。

少なくとも、これ以上の産業空洞化に指をくわえている場合ではありません。

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