2010.09.25
何とも情けない。
本日未明、漁船の船長が釈放され、チャーター機で中国に帰国しました。これで、中国人船長は英雄。
しかも、釈放は「那覇地検の判断」という形。「政治主導」といって散々官僚組織を批判してきた政権が、「地検の判断」というのも、何とも情けない。
おそらく、「地検の判断」であって政府としては判断ではないから、尖閣諸島の帰属について何ら判断したものではないと主張したいのでしょうが、それは国内の内向きな論理でしかありません。世界には通用しない。
明らかに、中国側の強硬な態度に屈して、日本の主権と領土の侵害を日本自らが許した形です。
もはや常識ですが、尖閣諸島は、1885年に明治政府が調査を行って、無人島で中国(当時は清国)の支配が及んでいないことを確認し、その後、日本人住民が居住し続けてきたわけです。
明らかに、ここは日本の領土であって、石油があるかもしれないという可能性が出てきてから、中国の横やりが入っているに過ぎないわけです。
にもかかわらず、今回、我が国領土内で不法行為を行った漁船の船長が、何の処分もなく釈放されてしまいました。
正に、これこそ民主党政権の姿ですね。
この船長を逮捕するという決定をした時点で、中国の強硬策は分かっていたはずです。中国国内で反日デモが起き、抗議船が尖閣諸島に殺到し・・・。にもかかわらず、逮捕に踏み切った。
これって同じ構図です。普天間基地は県外、国外、と主張した時点で、無理なことは分かっていたはずなのに・・・。「20兆円程度の財源は無駄をなくせばすぐに出る」といった時点で無理なことは分かっていたはずなのに・・・。
いかに、この政権が先を読まずに、その時さえよければいいという態度でしかないかということが・・・。
ただし、今回の問題は国家の主権、領土に関わる問題です。「逮捕」そのものは当然の判断だったと思います。問題は、その当然の「逮捕」という判断を、中国の反応に関する見通しの甘さで維持できなかったこと。
実際、逮捕直後に最大の証拠品である漁船を返還してしまったり、馬渕国土交通相が中国の政府関係者の表敬訪問を日本側から断ったり、対応は実にチグハグでした。
今回の釈放で、世界は、尖閣諸島の帰属について、日本の立場を全面的には支持できなくなったと言えます。また、今回の釈放で、中国の漁民は、ますます尖閣諸島界隈で操業を活発化させるでしょうが、残念ながら、海上保安庁は、毅然とした態度をとれなくなってしまいました。
しかし、もう釈放してしまったのですから、善後策を考えるしかありません。
今後半年以内に、①日米の共同軍事演習を尖閣諸島近海で実施する、②中国の領土拡張に苦しむ南アジア諸国との連携を目に見える形で緊密化する、といったことを早急に検討すべきです。
もうひとつ、中国人の帰化条件や留学受入れ条件などを厳格化すべきでしょう。
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木原誠二について
木原 誠二
衆議院議員・自由民主党 第20区支部長
自民党選挙対策委員長
5つの基本政策