2010.11.06
「クーデター」、我が国では死語のような言葉です。
しかし、その昔は、我が国にもこの「クーデター」がありました。帝国陸軍の一部青年将校達が軍を動かした2.26事件、帝国海軍の同じく青年将校達が官邸を襲撃して時の首相を暗殺した5.15事件。
直近では、60年安保闘争での共産主義者の台頭を危惧した旧日本軍関係者などが計画したものの事前に察知されて34人が逮捕された1961年の三無事件、1970年の三島事件などがあります。
しかし、繰り返しますが、その後は、クーデターは「死語」となってきました。誰もこの国でクーデターが起こるなどとは思ってきませんでしたし、クーデターが望ましいはずもありません。
しかし、真実はこれから明らかになってくる段階ですが、今回の尖閣ビデオ、公安情報流出は、一種のクーデター的要素も含んでいるように思われます。
民主党政権下で、しかもAPEC前という重要な時期に、いくら内部の者とはいえ、一人だけではアクセスできないような多様な情報が、外部に流出する。
正に「インテリジェンス・クーデター」あるいは「インテリジェンス・テロ」の時代に入ったということでしょう。
私もかつて役人として機密情報に接してきました。
とりわけ、英国大蔵省に出向して、マネーローンダリングの監督当事者となったときには、正にインテリジェンスの重要性を肌身で感じてきました。マネーローンダリングとは犯罪者の収益を秘匿する行為であり、その犯罪者にはテロリストも含まれているからです。
私は英国大蔵省の人間として関与しましたが、関連会議には、NCIS(国家犯罪情報サービス局)やロンドン警察、英国外務省などの担当官も参加して、高度なインテリジェンスを扱っていました。
そこには常に緊張感がありました。何故なら、この高度なインテリジェンスが外務に漏れたときには、自らの身も危うくなるし、国家の存立も危うくなるからです。
今回、我が国でおこっている一連の情報漏えいは、日本の現状に対する危機感、義憤にかられた行動であるという側面がある一方で、日本という国家組織を崩壊させる「インテリジェンス・クーデター」の色彩も帯びています。
責任は誰にあるのか、当然のことながら、政府・与党にあります。こういう行動に追い込んでしまった責任もあります。
早急な体制立て直しと事実関係の解明が必要です。
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木原誠二について
木原 誠二
衆議院議員・自由民主党 第20区支部長
自民党選挙対策委員長
5つの基本政策