2010.11.10
マスコミもいい加減なものだ。
今朝のみのもんたさんのコメントには耳を疑った。
小泉改革に対して、「市場原理主義だ、弱肉強食だ」といって大反対キャンペーン、松岡農水大臣、石破農水大臣などが進めてきた農地の「所有から利用への推進」、農地の集約などの農業強化策についても、「小さな農家を切り捨てるのか、田舎を壊すのか」などと否定的だったはず・・・
それが、今朝は、TPPが大切だ、そのために農業の体質改善、体質強化が大切だと。
しかし、考えてください。国内での規制緩和や競争強化もできずに、いきなり世界に開いたら、皆な死んでしまうだけです。柔道で階級制のなかでやっていたのに、何の準備や練習もせずに、いきなり無差別級に出させるようなもの・・・。
貿易・投資・人の移動、自由化されるのは「双方向」です。ということは、国内産業の空洞化はもっとおこりやすくなるということです。TPPに参加したから、大企業が国内に工場を残し続けるわけではありません。
農業もそうです。農地の所有から利用への転換、農地の集約などの農業の体質強化策を「農業にまで市場原理主義を導入するのか」と大反対キャンペーンをはりながら、それとは逆行する民主党の戸別所得補償政策を支持しながら、農業を世界に開いたら、それはもう日本の農業は壊滅です。
そしたら、「いやいや、日本の米の品質は世界一、安全性も世界一だから、輸出できますよね、先生」って、それは嘘ですよ。
それだったら、最高の品質と安全性をもつ日本の車だって、別にTPPに入らなくたって輸出し続けられるはずです。世界一といわれる日本の米は、700%という高い関税によってようやく守られているのです。
世界標準からすると8倍以上の価格差があるわけです。そこまで高いお金をはらって日本のお米を買う人が世界にいるか、いたとしても極く一握りのはずです。世界に輸出するなら、やはり体質改善をして、せめて700%もの高関税がいらない程度に価格競争力をもたなければいけないはずです。
というわけで、今朝は、日本のマスコミの定見の無さというか、厚顔無恥ぶりに怒りすら覚えて、今は電車に乗っています。
昨日も書きました、TPPに入るということは金融市場も開放するということ、そしたら巨大な官業・郵便貯金だって簡保だって存続はできません。
もう一度、小泉構造改革の意義、自民党政権最終局面で大きく舵を切ろうとしかけた農業改革について、検証することです。
何の筋トレも準備体操もなしに、オリンピックには勝てないでしょう!!
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木原誠二について
木原 誠二
衆議院議員・自由民主党 第20区支部長
自民党幹事長代理・政調会長特別補佐
5つの基本政策