自由民主党・衆議院議員
木原誠二

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ブログ

2010.11.12

某雑誌社の取材 ~ 民主党事業仕分けの変質

今日は、某雑誌社の取材を1時間にわたって受けました。内容は、民主党の経済政策、特に事業仕分けや予算編成について・・・。
取材を受けるにあたって、あらためて民主党の経済政策、予算編成、事業仕分けなどについて、資料を集め、ネットをサーチして、私なりに整理をしてみました。
特に事業仕分けについて・・・。何故かというと、マスコミでは第三弾が始まったとか、再仕分けをするとか、色々文字が躍っているのは認識していたのですが、パフォーマンスに付き合う馬鹿馬鹿しさに、ついつい報道もしっかりと追いかけていなかったからです。
あらためて、事業仕分けに至る経緯とか、事業仕分けの結果などを見ると、既に民主党の事業仕分けは完全に変質しているなと感じます。
「特別会計を仕分ける」との触れ込みだった今回の第三弾ですが、結果的にはほとんど成果を出せませんでした。
その原因は、明らかに政権そのものが、事業仕分けに意欲をなくしてしまったからにあります。
何と、蓮舫大臣は、事業仕分けを通じて財源探しを行うことについて、「あまり期待しないでほしい」と最初から予防線。しかし、元々、事業仕分けを通じた無駄削減で17兆円の財源を出すといっていたのは、誰あろう民主党自身ですし、蓮舫さんだったはず。
ま、いずれにしても、事業仕分けで財源を捻出の公約は捨て去ったという、正に変質。
その証拠に、今回の事業仕分けでは、18ある特別会計のうち8の特別会計しか対象とされませんでした。
特別会計の予算総額180兆円の半分にあたる90兆円を占める国債整理基金特別会計や20兆円をしめる地方交付税特別会計、つまり180兆円のうち110兆円近くが最初から対象とされず、対象とされた大物の年金特別会計についても、制度見直しを伴いませんから、お仲間の民主党の長妻さんが鳴り物入りで打ち出した年金記録の全件照合などが仕分けられるという、なんともみっともない、チグハグな結果に。
要するに、最初からやる気がなかったということです。
更にいうと、財源を捻出するためだったはずの事業仕分けなのに、なぜか、特別会計でも多額の借金があることを浮き彫りにすることが、それもわざわざ総理指示で打ち出されるという、本末転倒まで起こりました。
要するに、「財源財源というが、そもそも借金だらけなんだぞ」という財務省の論理そのもの。
そして、再仕分け。いったん仕分けで廃止と判定されたのに、名前や事業内容をちょっと変えただけで予算要望されたものを厳しく再仕分けするということらしいですが・・・。これもむちゃくちゃですね。だって、予算要求の決裁権限は政務三役にあるんですから・・・。廃止事業がしっかり廃止されずに再度予算要求されたとしたら、それは政治の側の問題。
最初は役人のせいでいいんです。自民党とつるんで悪いことをしていたというのが、民主党の仮説ですから。しかし、政権とって1年以上、民主党政務三役のもとで出された「仕分け結果を無視した予算要求」、いつまでも役人のせいにするのは、無理があります。
いずれにしても、民主党の事業仕分けは完全に終わり、終了。
自民党の元祖仕分け人・河野太郎衆議院議員が民主党の事業仕分けに参加したい(というよりも、「してやってもいいぞ。助けてやろうか」という気分だと思いますが)と公言しているそうですから、参加してもらったらいかがでしょうか。
私も、河野さんの下で仕訳人を務めてきましたが、この人の仕分けは本物ですから・・・。