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2010.12.27

来年度予算の評価

今回の予算・・・、細かい中味については書きませんが、はっきり言って零点。しかし、零点という評価以上に怖いのが、予算に関連して生じている「神経の麻痺」。

いつの間にか、予算について、いくつかのことが「当たり前」、「常識」のように語られ始めていて、危険な香りを感じます。

第一に、いつの間にか、90兆円を超える予算が当たり前になっていること。自民党政権下でも、当初予算で90兆円を超えることは一度たりともありませんでした。それが、民主党政権では二年続けて90兆円超え。

第二に、いつの間にか、埋蔵金数兆円が当然になったこと。本年度予算では10兆円、来年度は7兆円。しかし、埋蔵金っていうのは、貯金の取り崩し、いつまでも続くものではありません。

第三に、いつの間にか、財政の基礎収支赤字が20兆円と言われるようになっていること。これは、上記の第二と関連しますが、来年度予算でいえば、借金返済は21.5兆円。他方で借入(=国債収入)は44.3兆円ですから、確かに見かけ上の基礎収支の赤字は44.3兆円-21.5兆円の約23兆円です。しかし、埋蔵金っていうのは借金の前借り以外の何物でもなく、本来の借入は埋蔵金7兆円も加えた51.3兆円と考えるべきで、基礎収支の黒字は本来51.3兆円-215兆円=約30兆円のはずです。

第四に、いつの間にか、予算編成で公共事業削減以外の歳出削減努力が見られなくなったこと。一般会計における公共事業の規模は小泉政権から一貫して削減されてきた結果、既にピーク時の半分にまで落ち込んできています。公共事業だけでは歳出削減努力には限界がきています(しかも、この景気状況で公共事業を削る経済センスのなさ)。にもかかわらず、民主党政権は、公共事業以外の分野では全くといっていいほど歳出削減努力をしていません。これでは、財政が膨張するのは避けられません。要するに何もしていないということ。




我々は一国民として、日本の財政の現状に感覚麻痺することなく、しっかりと検証していく必要があります。

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