2011.03.15
東日本巨大地震により多くの尊い命が犠牲になっています。心からのお悔やみを申し上げます。また、無数の被災者の方々にお見舞いを申し上げます。
先日、ツィッター上で、政府の対応について注文をつけ、与野党ともにパフォーマンスを排除して取り組むべきことをつぶやきました。「細かいことを言うな」、「足を引っ張るな」、お叱りを頂戴しました。
「おっしゃるとおりだな」、「被災地で懸命に頑張っている皆さんに失礼だな」、暫くじっと黙って、出来ることを地道にしようと。そのために、東村山ライオンズクラブ会長として、仲間とともに、支援物資集めを開始しようと思います。少しでも、暗闇で冷たい思いをされている皆さまに、温もりを送りたいと思います。
しかし、「しばらく黙っていよう」については、思い直しました。おかしいことはおかしいと言わないと、迅速な救援、復興活動そのものが実現できないのではないか・・・。
私は、役人生活を13年しました。そしてこの目で見てきました。政治主導の実態を。
「振付け」、「お膳立て」という言葉で表される実態、そう「演出」です。
あたかも、総理が、官邸が、全てを掌握し、指揮しているかのように振る舞うために、必要以上の時間を費やし、お膳立てをし、演出をする。「俺が恥をかくじゃないか」、政治家のこんな言葉を何度となく聞かされてきました。
そして、ただ一つの「総理指示」を出すために膨大な作業をする実態を。
総理の突然の現地視察、福島原発に関する情報発信の遅れ、計画性の見えない自衛隊派遣の拡大、何のためか分からない新たな担当大臣や補佐官の任命、いずれも政治主導を演出するための仕掛け。
そのことを苦々しく思っていたら、今朝の読売新聞、総理が東電の担当者をどなりあげているという記事が・・・。正直情けない。
繰り返します。政治は全てのパフォーマンスや計算を完全に捨て去るべきです。
そのことは、最も大切な予算について最も顕著です。そして、この点だけは、どんなに批判を受けても書かないといけないと思って、多くのお叱りを覚悟で、あえてこのブログを書いています。
何故、本年度中に震災復興のための補正予算を作成しないのか。まだ本年度は3週間もあるのです。阪神淡路大震災の時は、3回にわたり3兆円を超える補正予算を編成しました。何故、今回はその議論が殆ど出てこないのか。
政府は、「補正予算を編成するには時間がかかる。被災地の状況を確認しないと必要額の積算ができない」などと言っているようです。しかし、これは財務省、役所の理屈。
政治が、総理がその気になって、「細かい積算はこの緊急事態だから仕方ない。正確な積算が必要でない予備費を積み増すだけでもいい。とにかく急いで作れ」と指示を出せば、1週間から10日もあれば補正予算は編成できるはずです。それこそが、パフォーマンスでない、演出でない「本物の政治主導」。そして、与野党が協力をすれば、国会審議は半日で十分。3月中に十分間に合うのです。
もちろん、すぐに予算執行はできないから、あわてる必要はないという意見には一理あります。しかし、一日も早く補正予算を編成する、その姿勢・決意を政治が示すことが、希望の灯となるのです。
やることはたくさんあるのですから。仮説住宅の建設、ライフラインの復旧、健康管理のための医療施設の整備・・・。総理、官房長官はともかく、財務大臣は、国土交通大臣は、厚生労働大臣は、一体何をしているのでしょうか・・・。
なのに、政府は、補正予算は来年度予算が成立したのち4月になってから編成するとの立場。緊急、急迫の事態に対処するために補正予算があるのに、この最大の緊急時に何故補正予算編成に入らないのか。
それは、与野党のねじれ状況の元で、本来なら通らないことが明白であった予算、予算関連法案を、この大震災にかこつけて一気に通してしまおう、23年度予算が通らなければ補正予算編成もないよ、というプレッシャーをかけるため。そう言われても仕方無い状況です。
もし、本年度中の補正予算は何を言われても作成しないというのであれば、現在審議中の来年度本予算を修正したらいいのです。高速道路無償化や農家の戸別所得補償などのバラマキをやめその分を災害復旧対策費に計上し直す。この作業も多くの日数を要しません。そして、国会審議も、与野党協力のもと数日で終えられるはずです。
心ある政治家の方には、皆さんの最大の仕事である予算にしっかりと取り組んでいただき、一日も早い復興支援の体制を整えていただきたいと思います。
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木原誠二について
木原 誠二
衆議院議員・自由民主党 第20区支部長
自民党選挙対策委員長
5つの基本政策