2011.03.30
(続き)
第四に、政治・行政の責任逃れ体質。
今回、我々は、5トン近い支援物資を市役所や県庁を通さず、直接避難所に届けました。自民党がこういう活動ができるのは、自民党が圧倒的に地域に根をはやしているからです。今回、我々の行動を導いてくれたのは、現在は落選中ですが福島市・南相馬市・相馬市などを選挙区にする亀岡前衆議院議員と各市の自民党市議会・町議会議員団が手引きをしてくださったからです。そして、明らかに支援物資が不足する現地の避難所に支援物資を届けることができました。
しかし、実際は、支援物資は不足しているのではなく届かないのです。支援物資は福島県庁の倉庫に山積みになっているのですが、これがその倉庫から出ていきません。
何故なら、数が揃わなければ・・・、公平に配らないと・・・、ニーズに合わせて配らないと・・・、無駄にしてはいけない・・・、といった責任逃れで知事も役人も動こうとしないからです。
同様のことは、政府がとった「自主避難」という曖昧な指示にも現れているのではないでしょうか。福島原発から20キロ~30キロの住人には自主避難が指示されました。
何故、強制避難にしないのか・・・。何もなかったときに、あるいは空き巣に入られたとか何か起こったときに責任を取りたくないからです。
しかし、住民は困惑していました。避難所で一人の住民がおっしゃったことが印象的でした。「消防団や警察の方が命をかけて守ってくれた命、街を私たち生き残ったものが捨てるわけにはいかない。これから発見される遺体の身元確認もしてあげなければならない。自主避難なんて言われて自分で判断しろといわれたら、残る以外に判断はない」。
そんな住民の切なる思いとは裏腹に自主避難。その結果、20キロ~30キロはやっぱり危険なんだということになって、支援物資を届けるトラックもこなくなってしまう悪循環。
原発でも同様のことが起こっています。いったん危機が起こったら、それを回避する責任は政府にあるはずです。例えば、千葉の製油所で火災が発生した際、消火したのはその会社ではなく消防隊でした。原発についても、もちろん東電は頑張らねばなりませんが、危機対応は政府・行政の責任です。それを未だに「東電が、東電が・・・」
「責任を取れる政治」をどう作っていくか・・・、与党も野党もなく喫緊の課題です。
第五に、法制度の不備。先ほどの個人情報保護法はその一つの例ですが・・、それ以外にも、例えば、海辺で行方不明者の捜索をしていたときですが、崩れかけた住宅の下を探そうとして重機を入れても、住宅のうちある程度形が残っている部分には手がつけられません。所有者の承諾がないと、完全に破壊することはできないのです。しかし、その家は、明らかに別の場所から流されてきたもので、しかも二階部分が残っているだけ・・・。
最大の法制度の不備は、非常事態宣言が出せないことかもしれません。
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木原誠二について
木原 誠二
衆議院議員・自由民主党 第20区支部長
自民党選挙対策委員長
5つの基本政策