2011.04.06
前回のブログで、大連立について、①総理経験者や派閥領袖クラスの復権のために使われてはならない、②政治家のポストのバラマキであってはならない、ことを指摘させていただきました。
しかし、そのことはそのこととして、基本的には、大連立も止むを得ないかなと思っていました。
ところが、谷垣総裁、連立拒否との報道が昨晩遅く流れました。
率直にいうと、残念な気がします。
このブログでも紹介したように、3月25日~28日まで、落選議員の仲間とともに、福島県相馬市、南相馬市へ支援物資を届け、行方不明者の捜索活動に従事してきました。家一つない泥まみれの現地は正に地獄。特に、原発周辺の住民は「放射能」という見えない敵とも戦わざるをえず、国難を見ました。
そして、東京に戻ってから先週一週間は、現在禄を食ませてもらっている会社の名刺なども活用しながら、多くの企業トップと面談をしました。
大半の企業は、「復興に全力を挙げて協力する」との言葉とは裏腹に、東日本を脱出し、西日本、更にはアジアへ動きだす準備を着々と進めていることを実感しました。福島原発という大きな骨が喉元に突き刺さった状態が当面続くのですから、企業としては合理的判断かもしれません。
しかし、日本国にとっては大変に「まずい」。この震災をきっかけに日本経済が更なる長期的低迷に落ち込めば、財政破たんはすぐ目の前にあります。
国民は、その危機を敏感に感じていて、「現政権では心もとない」、「自民党が政権にいれば」、「自民党が協力してくれれば」との思いを以前よりも強くしているように感じます。
ところが、東北地方の被災状況を踏まえれば、解散総選挙の実施は当面困難な状況であり、連立の枠組み変更以外に新たな政治を作りだす道がないのが現実です。
では、どうするのか・・・。「日本の未来」というボールは我が党の足元にあって、ひたすらキープをするか、パスして力の劣るプレーヤーに戻すか、自らドリブルしてゴールを狙いにいくか、決断を求められているのです。
個人的には、大連立もやむを得ない選択肢ととらえた上で、単にポストにありつくためだけでなく、「自民党が政権に入ってよくなった」と国民の気持ちを乗っ取る気構えで臨むことが、本格的な政権奪還に向けた第一歩であると思います。
私には、私の政治の師であるサッチャー女史の忘れられない言葉があります。それは、野党の役割について、「government to comeであり、いざその時がきたら何事もなかったかのように政権を運営できる準備をしておくことだ」と教えてくれた言葉です。
今が「いざその時」だと思えてなりません。
ところで、自民党の現職の議員さんの中には、「震災復興には大連立がなくとも全面協力する。実際、毎日誰かが被災地に支援物資を届けているし、政府に様々な提言、申し入れもしている」との意見をおっしゃる方が多くおられます。
しかし、そのことが国民には伝わっていません。その結果、国民には政治が一体になっているとの安心感が広がっていません。
大連立に参加するかしないかは現職の議員さん達が決めることですが、どちらになるにせよ、少なくとも、自民党であれば震災復興としてどのようなプランをがあるのかを、パッケージにして具体的に示すべきです。
次のブログでは、私なりの復興パッケージというか大連立パッケージを示したいと思います。
過去のブログ
木原誠二について
木原 誠二
衆議院議員・自由民主党 第20区支部長
自民党選挙対策委員長
5つの基本政策