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2012.11.29

「少子高齢化・人口減少」問題について


先日の青年会議所公開討論会にての一つの論点が、少子高齢化・人口減少社会への対応でした。今回はブログで少々整理したいと思います。

<短期的視点>

自分の結論は、短期的には、少子高齢化は止められないし、人口減少も止められない、したがって、少子高齢化・人口減少を所与として、様々な政策を打っていくということです。

そして、「短期的な問題は深刻だが、乗り越えられないものではない」ということ。

問題が深刻であることは、ほぼ社会的共通認識になっていると思いますが、乗り越えられるかどうかということについては、様々な見方があると思います。

人口減少社会が日本にもたらす最大の課題は、労働者人口の減少です。確かに、人口減少とともに、生産年齢人口も減少していきます。しかし、本当の問題は、生産年齢人口のうち、実際に働いている人の数です。つまり、就業率がどのように推移するかということ。

実は、1990年代初頭の就業率は65%近くありました。それが、足元では、50%台前半まで下がってきています。就業率低下の最大の原因は、景気の悪化、経済の減速です。

私が経済にこだわるのは、そのためでもあります。

少子高齢化問題を解決する一つの道が、やはり経済成長なのです。景気を回復させて、若者の就業率を上げていくことが必要です。

あわせて、まだ活用されていない、眠っている労働力、例えば元気な高齢者の皆さん、そしてより重要なのは、女性の就業率を上げていくことも大切です。

<中長期的視点>

実は、この女性の就業率を上げていくことは、少子高齢化の中長期的課題である「出生率を上げる」という問題と、表裏一体です。

出生率が上がらない大きな要因は、女性にとって、子どもを持つことのコストが非常に高いことです。もちろん、実際の子育てコストもそうですが、子どもを持つことに伴い失うもの、つまり逸失利益はもっと大きいということです。

例えば、大卒の女性が、28歳から35歳までの間に二人の子どもを持つとなると、28歳から35歳までの間の給料約3000万円程度をあきらめなければなりません。更に、仮に35歳で復職しようとしても、かつての立場で戻ることはなかなか難しく、1億5000万円近い給与を失うことにもなります。

逸失利益は恐ろしく大きく、子ども手当数万円で賄えるような規模とは桁が違うということです。



だからこそ、保育所の整備など、女性が働きながら子育てができる環境の整備こそが大切です。

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