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2012.12.19

日銀との物価目標協定について



昨日、安倍総裁が白川日銀総裁と自民党本部で会合。

安倍総裁は、白川総裁に、物価目標について政府と日銀でアコード(協定)を結ぶことを提案したようです。

日銀の金融政策については、選挙期間中も多くの議論があり、多くの有権者の皆様から安倍総裁の発言について、厳しいご意見も多数いただきました。

私は、英国大蔵省に1999年~2001年に出向していた経験から、政府と中央銀行が物価目標を共有する英国の仕組みを日本に紹介した最初の一人です。

この方式は、1997年に労働党政権が保守党政権から政権を奪取した際に導入されたもので、その骨格は、

①英国中央銀行の大蔵省からの独立性を高める、②その代わり、政府と中央銀行が物価目標についてアコード(協定)を結ぶ、③日銀は、物価目標をどう達成するかの方法・手段については高い独立性を保有する、④その代わり、物価目標の達成状況について、政府及び国民に対して説明責任を負う、の四点に集約されます。

中央銀行の独立性を高める一方で、政府を通じた民意を物価目標として共有するという、なかなかの妙案として、当時、日本に繰り返し紹介した次第です。

もちろん、米国のFRBや欧州中央銀行(ECB)のように、物価目標についても独自に設定できる、より高い独立性を有する中央銀行もありますが・・・。

今回の安倍総裁の提案は、この英国方式に近いものがあります。

もう少しわかりやすくいうと、

「子どもの英語の試験が50点だったときに、①子ども自ら「次回は60点取れるように頑張るね」というのか、あるいは②お母さんが「次は80点取れるように頑張りましょうね」というか」の違いです。

そして、目標が定まれば、①学校から戻ってすぐ勉強する、②朝早起きして勉強する、③土日に集中して勉強する、④文法を集中的に頑張る、⑤単語を集中的に頑張る・・、目標を達成するための方法は子どもに完全に任せる、それが英国方式ということになります。

リーマンショック以降の米国FRB、欧州中銀、日銀の金融緩和の努力度合を見ると、明らかに日銀が一歩遅れています。これまでしっかりやってきているのであれば、米国FRBのように「自ら目標を設定する」もあり得るでしょうが、そういう状況ではありませんから、安部総裁が提唱するように、「政府と協議して目標を設定する」もありうる状況です。


安倍内閣が正式に発足した段階で、しっかりとした枠組みの議論をしていきたいと思います。










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