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2014.04.27

メキシコ出張報告

 4月15日及び16日,メキシコ(メキシコシティ)において「効果的な開発協力に関するグローバル・パートナーシップ第1回ハイレベル会合」(GPEDC)に参加。

 

以下、出張の報告を簡単にします。

 

1.GPEDC会合について

  • 今回の会合(GPEDC)には、約130ヵ国の政府高官(ミード墨外相,ビショップ豪外相、尹韓国外交部長官、ピエバルクス欧州委員等)、潘基文国連事務総長、クラークUNDP総裁等の国際機関の長、民間セクターCSO(市民社会組織)等の多様な開発主体が計1500人参加。
  • 会合では、開発における途上国のオーナーシップ、包摂的なパートナーシップ、透明性と説明責任など従来の課題に加え、 南南協力・三角協力、中所得国との開発協力、民間セクターの役割等、最近の開発潮流を強く意識した議論が展開。
  • 自分は、主として三角協力及び中所得国との開発協力について発言。三角協力では、日本が、40年来の豊富な実績を背景に新たな形態の協力をリードしていること、中所得国との協力では、①日本自身が教育・人材育成及び(インフラを含む)ビジネス環境整備を支えとして,産業構造転換及び技術革新を通じた持続的な高成長を達成し、「中所得国の罠」に陥らず先進国入りを経験、②その経験に基づいたアジア支援が地域の成長に貢献してきたこと、③日本が掲げる人間の安全保障は脆弱な社会層に目を向けることで、結果的に成長に必要な分厚い中間層育成にも資することを強調。
  • 会合全体のトーンとして、官民連携の推進、三角協力を通じた先進国・途上国間のパートナーシップ構築等、良い議論ができた。
  • 他方、先進国にとっての隠れた課題であり、私自身も強い問題意識をもって臨んだ新興国の取り込みについては大きな課題が残った。とりわけ、世界第二位の経済大国であり、開発援助の場でも大きなプレーヤーとなっている中国が参加をしなかったことは、残念であった。今後、新興ドナーについて、開発における国際的ルールに則った行動に導くための仕組み作りをしっかりと進める必要がある。

 

2.メキシコ、MIKTAについて

 中南米諸国の中で、内需型で成長を主導するブラジルと逆に、メキシコは、米国とのNAFTAなど活発に貿易・経済連携を進めることによって、経済の健全性を強化してきている。

 我が国にとっても、特に自動車産業において、米国への輸出基地として有望な投資先となっており、昨年だけで100社以上が新規進出、合計でも約700社が進出しているところ。近年は、中小企業の進出が際立っており、あらためて、その潜在力の高さを認識。現在、資源分野においても外資の導入を可能とする改正が進められており、更に日本にとって重要な国になると認識。

 他方で、メキシコは、韓国が主導して、G8に属さない先進国・高中所得国(中堅国)、具体的には、メキシコ、インドネシア、韓国、トルコ、オーストラリア、が連携する枠組みでるMIKTAの一員となっており、我が国としても、メキシコを含めて重要な我が国のパートナー国と二国間だけでなく、複数国間(マルチ)でつながっていく構想力を持つ必要があると実感。

 

併せて第8回のせいじビデオレターもご覧下さい。

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