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2016.03.21

アフリカの大地で考える三つのこと

飛行機の上から

先週後半からアフリカのナイジェリア、コートジボワール出張に来ています。コートジボワールについては、民間企業13社も参加した官民合同貿易・投資ミッションの団長としての立場です。

このブログは、少々早起きをして、アビジャンのホテルから外の穏やかな景色を眺めながら、書いています。この出張を通じて感じているところを、3点ほど少々手短に記します。

 

第一に、資源を持つということの難しさ。ナイジェリアは世界有数の石油・ガスの産出を誇りますが、この資源価格低下局面で、産業の多角化に迫られています。しかし、これはどこの資源国でもよくある、いつもの当たり前の話。この出張中に政府関係者と話していてなるほどと思ったのは、以下の発言です。

「かつてナイジェリアは豊かで勤勉な農業国だったのに、突然石油が見つかって一変してしまった。農業は廃れ、産業も生まれなくなり、今では食料も含め輸入大国になってしまった。もう一度、農業を立て直さないと・・・」

我が国は、資源がなかったからこそ、ここまで製造業を発展させることができたわけですが、あらためて、この経験をしっかりとアフリカの国々の産業多角化に活用していくことの重要性を感じています。同時に、今後の世界的人口爆発を見据えて、我が国も農業再建、しっかりと取り組むことが大切と実感します。

 

第二に、現地の水準、ニーズに合わせることの重要性。海外と対話する、売り込むときの日本のキーワードの一つが「質の高いインフラ整備」ですが、こちらの関係者の人と話していると、「質の高い」の中身をしっかりと現地のニーズ・水準にあわせる必要性を痛感します。これまた、こちらの関係者の「なるほどな」な発言。

「日本の道路は確かに30年、40年壊れない。ありがたい。中国の道路はかつては3年しかもたなかった。でも今は10年はもつようになった。我々にとっては、3年ではこまるが、10年持つ道路が安く早くできるなら、それはそれで十分。」

 

第三に、国際競争の激しさと官民連携の重要性、そして、その中で「日本の企業には技術力と経験があります」は通用しなくなってきていること。

ナイジェリア、コートジボワール両国とにそうですが、とにかく幅広い国々、企業からの投資があります。コートジボワールを例にとると、歴史的に関係の深いフランスはもちろん、レバノン、トルコ、モロッコ、スイス、イスラエル、、、。そして、トルコのエルドアン大統領はじめ、各国からの国を挙げた関係強化が進められています。

私が団長を務める今回のような官民合同ミッションも、単に「官と民で一緒にやってきましたとよ、関心ありますよ」というような顔見せ的なものにならないよう、セクター毎に、地域毎に、問題意識や関心をより特定化・具体化させて、相手国を引き込めるものにしないといけないと感じます。もはや、「日本には技術力と経験があります」だけでは差別化できない、上記二番目の「質の高いインフラ整備」という課題と同じかもしれません。

 

出張は木曜日まで、実り多きミッションとなるよう、頑張ります。

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