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元外務副大臣 自民党 東京都第20選挙区支部長・衆議院議員 木原誠二 公式ホームページ

2017.03.31

「こども保険」、いいんじゃないの!!

小泉進次郎衆議院議員を中心に若手の議員の皆さんが、「こども保険」の創設を提唱されました。実にいい、個人的には拍手です。
実は、この「こども保険」、私も一時期提唱していたことがありました。それは早10年前の初当選時。しかし、誰にも振り向いてもらえず、話題にもならず、いつの間にか自分も旗を降ろしてしまいました。やはり、小泉議員の発信力、発想力は素晴らしいし、それを支える村井議員や小林議員あるいは山下議員といった若手議員の皆さんの戦略も立派。政治家は幾ら何かを考えても、それが国民に届かなければ、発信できなければ意味がない。俺ももっと頑張らなければ、と大いに反省しながら、小泉チームにエールです。

で、中身です。私が賛成する理由はたくさんありますが、ここでは三つ。
第一に、これで我が国も充実した全世代型社会保障制度を持つ国へ一歩近づくことができるからです。
よく言われていることですが、諸外国と比べて圧倒的に、若年世代向けの社会保障支出が少ないのが日本です。しかも、若年層の所得状況は徐々に下方にシフトしてきており、預貯金を持たない層も増えてきている、子どもの相対的貧困も増加してきている、日本の深刻な状況が目の前にあります。医療、介護、年金、雇用と様々なメニューが揃う我が国の社会保障制度の中に、若年層向けのメニューを揃えて、全世代型社会保障制度を完成させることは極めて有意義なことです。

第二に、若年層の活力は、わが国の未来の元気に直結するからです。また、若年層の地盤沈下は医療・介護・年金という社会保障制度の不安定化にも直結するからです。我が国にとって、最大のリスクは少子化・人口減少であることは明白です。

第三に、今回の提言が、単に上記の課題を指摘するだけでなく、具体的な財源を示した上で、詳細なスケジュールと具体的な仕組みを同時に提示していることです。「あれやりたい」、「これやろう」は誰でも言えますが、被用者年金の保険料に上乗せする形で、しかも段階的にスケジュールも示した形で財源を提示したのは、画期的だと思います。

これに対して、既に、マスコミ等でも様々な意見が見られます。もちろん、党内にも賛否両論あります。たくさんの論点についてコメントしたいのですが、今日は、一点だけ。それは、「そもそも、保険原理になじまないのでは」という意見についてです。

この指摘は一理あって、保険というのは、「一定の確率で誰にでも起こり得るリスクに対して、そのリスクに備えたいと思う人が大勢集まって、薄く広く負担することにより全員でそのリスクに備える」ものです。典型的なのは、旅行保険であったり、死亡時の生命保険であったり、自動車保険であったり、火災保険であったり。したがって、一般的には、保険は掛け捨てが基本。
しかし、現在では、年金保険だったり、学資保険だったり、掛け捨てではなく、貯蓄性の高いものも増えてきています。したがって、保険といえども、その性格はまちまち。保険にもバリエーションがあり得るということで、ある特定の保険のイメージにこだわる必要もないということです。

そして、こうした保険原理を取り入れて国家が運営するのが公的保険、社会保険制度です。リスクに備えるという保険の特徴に加えて、公的な保険の場合には、所得再分配という大切な機能が付加されます。本来、民間であれば、保険は、加入者のリスク度合い、例えば、医療保険であれば、過去の病歴や現在の健康状態などで支払う保険料が変わってきますが、公的保険の場合は、そうしたことは基本的にありません。公的保険の場合は、むしろ、支払い能力に応じて保険料に差をつけることが行われます。これが所得再分配機能です。
そして、リスク対応・分配機能と所得分配機能という公的保険が持つ二つの機能は、それぞれの公的保険制度でその濃淡が異なります。
例えば、公的医療保険や介護保険や雇用保険の場合は、基本的にリスク対応機能に重点が与えられているといえます。他方で、公的年金の場合は、わが国は賦課方式で行われていることもあり、所得再分配機能に重点が与えられています。
別の角度から言うと、公的医療保険や介護保険や雇用保険の場合は、医療や介護や失業保険を必要とするかもしれない全ての人、つまり若者であれ高齢者であれ、リスクを抱えるすべての人が保険料を負担します。しかし、公的年金の場合は、年金受給者は年金保険料を基本的に支払いません。ということは、これは、再分配機能そのもの、と言えます(もちろん、それまでに保険料を支払い続けてきたという大切な点がありますが、わが国は制度としては賦課方式です)。

ということで、民間保険のみならず、公的保険においても、態様、考え方はまちまち、色々なバリエーションがあり得ます。

そこで、「こども保険」の場合は、何故、子育てが既に終わっている方、子どもを持つ意思のない方、そうした方々に保険としてご負担いただかなければならないのか、重要な点です。私は「こども保険」も所得再分配機能に重点を置いたものだからなのだと理解をしています。所得再分配機能に重点を置きながら、少子化・人口減少という全国民に共通のリスクに全国民で対応する、そういうバリエーションの保険なのではないでしょうか。
ま、これは私ではなく、提唱者の小泉進次郎さん達がお答えになることですが、、、。ぜひ、明確な概念整理を提示してもらいたいと思います。

いずれにしても、これから、国民的議論が喚起され、党内でもしっかりと議論ができる、題材、が提示された、ということではないでしょうか。

この記事へのコメント

  • 一市民さん 2017年5月24日 07:58

    はじめまして。
    「子ども保険」という政策について調べていたときに
    このブログにたどりつきました。
    テレビがないので最近初めてこの政策を知ったのですが、
    正直ショックです。
    また、負担だけが増えてしまうのかなという感じです。

    働いている層の年金額を増やすとのことですが、
    そうなるとますます払えなくなってしまいます。
    私はリーマンショックのころに就職活動しましたが
    正社員になれずずっと非正規のままです。
    時給は七百円くらいで、長時間働いても生活していくのがやっとです。
    東京の方は知らないですが、地方の女性はほとんどこういう暮らしをしています。年金も健康保険も払えない人もたくさんいます。
    政治家の方がよく言うような、お金がたくさんあって独身を謳歌している女性とかはほぼいません。男性も収入が少なくて結婚したくても考えられない人が多いです。みんなもう疲れています。

    こんな生活をしている者からすると、「貧しい私たちからさらにお金をとって、裕福な家の子どもを支えるの?」とちょっと疑問に感じます。年金を払えなくて将来の不安を抱える人にとっては、今回の政策で救われる部分はまったくないですよね。
    また、子どもを持ちたくても持てない既婚者への配慮、同性愛などのマイノリティの方への配慮も欠いてると思います。
    少子化以前に解消すべきこと、解消してほしいと思います。

    私の周りには、ブラック企業で使い潰されてうつになった人、パワハラやセクハラで悩んでいる人、低賃金長時間労働で身体を壊した人たくさんいます。「日本死ね!」と言う元気もなく一人で追い詰められて自殺してしまった若い友達もいます。
    遠いから分からないかもしれないけど、
    政治家の人には、そういう国民の姿を分かってほしいと思います。

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