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2006年08月28日

中国・上海について

さて遅くなりましたが、中国・上海について、8月17日付けのブログでお約束したとおり、ご報告いたします。
ご案内のとおり、中国経済は昨年9.9%増、今年の前半も10.9%増という高い経済最長を達成しました。その成長の象徴が上海です。上海に行くと、どんどん高層ビルが建てられ、刻々と都市の姿が変化していくことを実感できます。

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そんな中、今回の視察では、①港湾施設、②上海金融街、③空港施設などを中心に訪問をしました。

港湾の現場では、経済成長・商取引の拡大に伴う物流の増大という成長のダイナミズムを体感することができます。現在、上海の貨物の多くは、長江(揚子江)河口部に位置する「外高橋ターミナル」で扱われております。中国の経済成長に伴い、既に、上海港のコンテナ取扱量は世界第3位であり、ここ5年間で3.2倍に増加しています。増大する貨物量に対応しきれない状況であることから、現在、河口から約30キロの沖合の海上に新たなコンテナターミナル、「洋山ターミナル」を整備する大プロジェクトが進められています。第一期の開発は2002年6月に着工し2005年12月にオープンするという日本では考えられないスピードで工事が進んでいます。今後第3期工事まで含め2020年までに年間に1500万TEU~2000万TEUというコンテナ数を扱う巨大な港湾施設が完成される予定です。日本全体のコンテナ取扱量が1600万TEUですから、その規模は圧倒的です。

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中国には13億人の人口があるわけですから、経済成長に伴って貨物量が増大していくことは当然で、新たな港湾施設を作る必要が生じるのも自然なことです。ただ、洋山ターミナルの建設からは、単に中国での貨物需要の増大に対応するということではなく、将来的に上海をアジアにおける物流の中心・ハブにしていこうとの中国の国家戦略を感じることができます。中国自体の経済活動に必要な貨物は当然のこと、日本や韓国・ASEANのための貨物もいったん中国に集め、そこから集配をさせるという戦略です。運送会社からすると、日本向け、中国向け、韓国向け、インドネシア向け、タイ向け、と何本も基幹航路を運行するよりも、いったん全てアジアの中心港湾に貨物を集中させて、そこから中小貨物船でサブ航路を運行する方が効率的なわけです。ただ、これが現実化すると、日本の東京港や神戸港や横浜港はアジアの外れの港湾となってしまって、地位の低下が余儀なくされていきます。日本の港湾関連事業が維持できなくなる恐れがあるほか、積荷をいったん中国で積み替えることに伴うコスト増を日本の消費者が負担しなければいけなくなる恐れもあります。

では、日本も上海のようなことができるかといえば、なかなか難しい問題があります。何故、上海の洋山ターミナルが海のど真ん中に僅か3年で完成できたかといえば、3つの要因が挙げられます。第一に、地震がない。したがって、海の中に30キロの橋を建てるのも容易。第二に、ターミナル周辺に居住していた漁民などを国家権力によって強制的に移住させることができる。民主国家である日本では到底考えられないことです。第三に、中国では土地は全て国有ですから、日本で問題となる用地買収コスト、手続きというものがない。いずれの要因も日本では考えられないものです。

中国の公共事業におけるスピード感、規模の大きさは、同様に空港についても言えます。上海浦東空港は上海市の東南に建設された新しい国際空港です。上海市には西方に既存の虹橋空港があり、従来は国際線も虹橋空港を利用していましたが、航空需要の急増に対応する上で限界があるため、新たに浦東空港が整備されました。1999年10月に4,000m滑走路1本を擁する第1期工事が完成し、現在は4,000mと3,800mの滑走路2本、2008年には第2旅客ターミナルが完成する予定です。現在でも離発着数が17.6万回(2004年)、旅客数が約2,400万人(2005年)と成田空港(18.3万回、2773万人)に匹敵する状況になっていますが、最終的には4本の滑走路を持つ面積3,800haの空港に整備される計画で、完成時には7,000万人の利用が可能となります。

日本が上海に対抗していくのはなかなか難しいと思いますし、日本がアジアのハブ港湾・ハブ空港を目指すのはなかなか困難でしょう。しかしながら、日本は依然としてアジア一の経済ですし、世界第二位の経済です。少なくとも、自分の経済に必要は物流は自ら確保する戦略は維持する必要があります。現在、公共事業というと何でも悪いという議論がされますが、いくつかの中心的港湾や空港など国際競争力維持のために必要なものはしっかり国家事業として維持していかなければいけません。そんなことを感じた上海でした。

投稿者 kiharaseiji : 2006年08月28日 09:12

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